ヴィクトリア時代のトイレ、カーディフ市のザ・ヘイズ

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Photo of Hayes urinals

公共トイレが歴史的建造物として保存されることはまれだ。しかし、ザ・ヘイズにあるこの地下トイレは、急速な都市開発が進んだヴィクトリア時代からの姿を今に伝える例外的な存在である。

紳士用トイレでは、昔のままのセラミック小便器の列が並び、各々が黒大理石の枠で仕切られている。個室内には、配管業者で衛生技師でもあったトマス・クラッパー(1836-1910)が発明したとされる貯水タンクがある。彼は下水道建設と水洗便所の改良で環境衛生に大いに貢献した。商品名「クラッパーの無弁式節水装置」というこの水槽が壁の上部に取りつけられ、鎖を引っぱると作動する仕掛けであった。通りに面した地上階には、装飾的な鉄柵がこの公共トイレの玄関口を護っている。

この施設は1898年8月に、鳴り物入りで正式にオープンした。だが、トイレ頭上の地面に設置されたプリズム式採光ガラスに問題があったため、オープニング・セレモニー後の数週間、施設はだれにも使われなかった。そこで1898年9月、市議会議員らは、カーディフ・コーポレーションは何の仕事もしていないスタッフに給料を払っていることに苦情を申し立てた。

Photo of Hayes urinal

このトイレは2009年に復元されたが、年間12万ポンドという維持費を節約するために、2013年に市議会により閉鎖された。2014年、近くの〈ヘイズ・アイランド・スナックバー〉のオーナー達により再度オープンされた。〈スナックバー〉の歴史についてはこちらを参照.

クラッパーとトイレの歴史についてもっと知りたい方は、アダム・ハート=デーヴィス著『トイレおもしろ百科』や、ウォレス・レイバーン著『トイレになった男:衛生技師トーマス・クラッパー物語』をお読みいただきたい。

翻訳・補筆: 藤沢邦子

郵便番号: CF10 1AH     地図

 
Photo of Hayes toilet Photo of T Crapper cistern at Hayes Photo of Jennings plaque Hayes urinal