グレーシー・デーヴィーズの墓、メナイブリッジ

menai_bridge_davies_family_graveグレーシー・デーヴィーズ(1919没)

グレーシー・デーヴィーズは1855年5月、著名な外科医サミュエル・オズボーン・ハバーションと妻グレースの間に生まれ、ロンドンで育った。彼女の兄ハーバートは首相ウィリアム・ユワート・グラッドストーン(1809-1898) の主治医を務め、妹のアーダは讃美歌作曲者として知られていた。

グレーシーが未来の夫ジョン・デーヴィーズに出会ったのは、彼がケンブリッジの学生だった頃だ。ジョンは彼女の兄ハーバートの親友であり、ハーバートはジョンの妹キャサリンと結婚した。ジョンは、ここメナイブリッジで貿易や船舶所有で財を成したデーヴィーズ家の出身だった。

グレーシーとジョンと子供達は、メナイ海峡本土側の吊橋近くにあった赤レンガの大きな屋敷〈セリス〉で暮らした。この吊橋はトマス・テルフォードに設計されて1825年に完成したもの。グレーシーは、地域の人々のために、ウェールズ産業協会において女性も自分達の作ったものを販売できる場を設けるなどの活動を推進した。また、メナイブリッジ長老派教会のオルガン奏者となり、アイステズヴォッド(ウェールズの総合文化祭)では手芸コンテストの審査員も務めた。

赤十字運動がメナイブリッジで始ると、彼女はこれを支援した。そして赤十字の試験に合格したのち、バンガー診療所で見習い看護婦としてボランティア活動をした。

第一次世界大戦中には、赤十字のための病院となっていた義兄の屋敷〈ボッドロンデブ〉で働き、軍の公報に特別勲功者としてグレーシーの名が記されている。また、ベルギーからの戦争避難者をこの地域で受け入れるため精力的に働き、彼らが仕事や収入を得られるように尽力した。 

戦時中の過労のせいか、彼女の健康は1917年中頃から悪化した。1919年5月に亡くなり、メナイ海峡のチャーチ島にあるデーヴィーズ家の墓所に埋葬された。一族の他のメンバーについては、チャーチ島墓地ツアーの頁で別途紹介されている

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翻訳: 藤沢邦子