パブ〈黄金のケープ〉、レクサム街、モールド、ウェールズ北東部

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このパブの店名は、青銅器時代の英国(紀元前4000年~1000年頃)の、最もすばらしい遺物の一つに因んでいる。「モールドの黄金のケープ」はロンドンの大英博物館にあり、その複製品が、パブにほど近いアールロードのモールド博物館(下の地図で緑色のピン)で見られる。

1833年、Bryn yr Ellyllon(悪鬼の丘あるいは小妖精の丘)と呼ばれていた古代の墳墓丘から石を掘り出していた採石人たちが、黄金のケープの破片を見つけた。それは現在のチェスターロードA541(下の地図で黄色のピン)辺りから出土した。Bryn yr Ellyllonの発音はこちら (18KB)

モールドの牧師が、墳墓丘内の石を並べた墓で見つかったものについて記録を残している。それによると、黄金の破片と、ケープを身に着けて埋葬されていた人物の骨があった。そばには青銅の細片と、琥珀のビーズもあった。

発見者たちは黄金の破片を自分たちのものとした。大部分を手中にしていた地元の地主が、1836年にそれらを大英博物館に売却した。博物館は後に、残りの黄金片も購入しようと努めた。

このケープは一個の金塊をハンマーで薄く打ちのばしたもので、そこに装飾的な凹凸のある文様がほどこされている。皮革で裏打ちされ、さらに青銅の細片で補強されていたようである。ケープは非常に重かったはずで、通常の使用ではなく、権威のシンボルとして儀式のとき着用されたものであろう。

ケープの本来の姿が鑑賞できるようになったのは、1960年代に黄金の破片が継ぎ合わされてからのことである。最大の欠損部を補完するために、前面の下部に、新しい細工片が作られた。その他余剰の破片は、この墓には、ケープと対をなす装飾をもつ別の黄金の小オブジェもあったことを示している。

郵便番号 CH7 1ES    地図

詳しい情報や写真は、大英博物館のウェブサイトを参照

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翻訳: 藤沢邦子