「タウィン荷揚げ場」鉄道駅

sign-out

「タウィン荷揚げ場」鉄道駅

この駅を訪れる人たちは、荷揚げを思わせる設備がまるで無いことを不思議に思うだろう。駅名はかつてここで、ブリン・エグルウィス採石場からのスレート(粘板岩)を、タリスリン鉄道の狭軌無蓋貨車からカンブリアン鉄道の標準軌無蓋貨車へと、船荷のごとく積み換えていたことの名残りなのだ。

今ではこの駅は、風光明媚な路線の西の終点として観光客に名高い。タリスリン鉄道は廃線になっていたが、鉄道好きなボランティアにより運行が再開された、世界で最初の保存鉄道である。

世界で愛されている絵本『機関車トーマスと仲間たち』の著者ウィルバート・オードリー牧師は、そうした初期のボランティアの一人だった。彼のタリスリン鉄道での経験が、スカーロイ鉄道の物語を生んだのである。スカーロイ、レーニアス、サー・ヘンデル、ピーターサム、ダンカン等のキャラクターは、タリスリン鉄道の機関車をモデルにしている。

photo_of_tywyn_wharf_in_1954タウィン荷揚げ場駅は、レンガ造りの2室の事務所と石炭貯蔵場を作って、1865年にオープンした。

タリスリン鉄道の旅客サービスは、19世紀末に「荷揚げ場」駅まで延長された。しかし乗客用の施設は、保存協会が1951年に引き継ぐまでは、写真のように簡素そのものだった。切符は事務所で売られ、屋外には木のイスが2,3あるだけ。ホームもなく、乗客は側線の1つから、車両に乗りこんだ。

1951年から52年にかけて、ホームおよびループ線(機関車を列車の逆の先端に移すための円周状線路)を設ける改造が行われた。

1950年代には、1865年の駅 舎にさまざまな小さな改良がなされ、石炭置場だった場所に狭軌鉄道博物館が作られた。1960年代の改造では、切符予約や運行管理のオフィスを設けるために、平屋根の建物が駅舎の東側に増築さ れた。

1990年代になると、こうしたその場しのぎの拡張だけでは運営が危うくなってきた。そこで、1865年当初の構造を含めての、再建計画が練られた。外部資金と保存協会メンバーからの少なからぬ寄付を得て、2002年から2005年にかけて、東側の増築は元のスタイルによって再建され、博物館用の新しい建物も建てられた。2005年7月13日の新装オープンには、プリンス・オブ・ウェールズ(チャールズ皇太子)が臨席した。

翻訳: 藤沢邦子 

郵便番号: LL36 9EY   地図

タリスリン鉄道のウェブサイト